ETALONエタロンフィルター


ラムダプレシジョンでは、
ご要求特性を満たすエタロンフィルターを
設計製造いたします。

エタロンフィルター

エタロンとは一般にファブリー・ペローのエタロン(Fabry-Perot-Etalon)のことを指します。
それは一定の距離を隔てた2つの反射面を持つ干渉系であり、その透過波長スペクトルは共振波長に大きな透過率ピークを示します。
構造としては1枚のガラス(または結晶)の両面を反射面として、ガラス内部で多重反射(干渉)させる「ソリッド・エタロン」と、2枚の反射鏡を対向させて、空間で多重反射させる「エアギャップ・エタロン」とがあります。

構成別各種エタロン

ソリッド・エタロン

高精度に平行研磨加工されたガラス(また結晶)の両面に成膜された高反射膜にて構成される。シンプルでコンパクトな設計が可能です。

エアギャップ・エタロン

対向する2枚の反射鏡とそれらを保持するスペーサーから構成され、オプティカルコンタクトにて組み立てられています。

高フィネス エアギャップ・エタロン

高精度に平行研磨加工されたガラス(また結晶)の両面に成膜された高反射膜にて構成される。シンプルでコンパクトな設計が可能です。

マルチバンド ソリッド・エタロン

対向する2枚の反射鏡とそれらを保持するスペーサーから構成され、オプティカルコンタクトにて組み立てられています。

エタロン光学特性

エタロンの透過スペクトルと性能指数

ファブリ・ペロー干渉において発生するスペクトルは入射光と共振器内で反射を繰り返す光との干渉にもとづいています。これら2つの光の位相が一致した場合、強めあう干渉が起こり、共振器内の光は増強され、位相が一致していない場合は、共振器内に蓄えられるのは入射光の一部のみとなります。 その結果、透過光は入射光に比べてスペクトルが変化します。
エタロンのスペクトルは、次のような指数にて規格化される場合があります。


・FSR (Free spectral range) :隣合う透過率ピーク間の波長差を指します
・FWHM (Full width at half maximum) :透過率ピーク値に対し、その半値(3dB)における波長間幅を指します。
・Finesse :FSRとFWHMの比を持って表す性能指数のひとつです。

エタロンの透過スペクトルと反射率(FWHMとの関係)

反射率を10%から80%まで変化させた場合の透過スペクトル。
反射率が高くなるにつれて、谷(透過率の低い領域)が深くなる。FWHM値が変化する。

ファブリ・ペローエタロンにおける代表的な性能指数であるFinessは、 FSR (フリースペクトルレンジ)とFWHM(半値幅)の比を持って示され、特にFWHMは反射面の反射率によって制御することができます。
下のグラフは反射率の異なるエタロンにおけるスペクトルを示しています。
反射率を10%, 30%, 50%, 80%と変化させた場合の設計値(イメージ)です。
反射率が高くにるに従い、谷(透過率の低い領域)が深くなり、FWHMの値が小さくなります。
FSRは干渉間距離に依存しますので、FSRが一定であれば、高反射率になるほどFiness値は大きくなります。
また、干渉間距離は反射膜の成膜前後で変化することが知られています。設計・製作の際には配慮が必要となります。

エタロンの透過スペクトルと干渉間距離(FSRとの関係)

干渉間距離:d=1025μm FSR=100GHz(0.8nm)
干渉間距離:d=2050μm FSR=50GHz(0.4nm)

ファブリ・ペローエタロンのスペクトルにおける隣合う透過率ピーク間の波長差を示すFSR (フリースペクトルレンジ)は干渉間距離にて決定されます。
下のグラフは干渉間距離を 1.025mmと2.050mmとした場合の設計値(イメージ)です。
主に通信分野における光波長多重通信においては、厳密な波長管理が必須あり、その波長制御において、このようなFSR=100GHz, 50GHzのエタロンが採用される場合があります。

高フィネス エタロン

フィネスはFSR(フリースペクトルレンジ)とFWHM(半値全幅)の比を持って表すエタロンの性能指数のひとつです。高フィネスとは、隣あう透過ピークの間隔(FSR)が広く、透過スペクトルが急峻(FWHMが小さい)な状態を指します。そのような光学特性は波長選択を目的としたフィルターとして使用される応用があります。

高フィネス エアギャップ・エタロンの透過スペクトル例

マルチバンド エタロン

マルチバンドエタロンとはFSR(フリースペクトルレンジ)の周期特性を利用し、一定の間隔(100GHz, 50GHzなど)において発生する透過スペクトル特性を利用するものです。光ファイバー通信網におけるDWDM(高密度光多重通信)において、波長制御用素子としての応用があります。石英ガラス製の他、温度特性に優れた水晶製エタロンがございます。

マルチバンド エタロンの透過スペクトル例

FSR=100GHz

FSR=50GHz

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